みなさんのお住まいはどちらでしょうか?
私(ぽんたろう)はいわゆる都会に住んでいるのですが、店舗せどりを始める前、また始めてすぐの時は、都会の店舗に利益品は無いと思っていました。
また利益品が多少あることが分かっても、車が無いから効率が悪いと思い込んで、店舗せどりの選択肢を潜在的に切っていたのです。
結果的にこの「都会の店舗に利益品は無い」という考え方は間違いであることがわかるのですが、今回は、こういった都会の店舗せどりに関する考え方を解説していきます。
都会の弱み
「土地代」「店舗家賃」が高い
地方に比べ、都会の土地代・店舗の家賃が高い、というのはイメージしていただけるかと思います。
では実際どの程度高いか、ご存知でしょうか?
具体例として、「東京駅」と「岐阜駅」の土地代と店舗賃料で見てみます。
参考URL(https://tochidai.info/area/tokyo/)
参考URL(https://www.inshokuten.com/bukken/kanto/market/rent/result/?lineKeyId=2&stationKeyId=256)
まとめると下記のようになります。
単価\場所 | 東京駅周辺 | 岐阜駅周辺 |
土地代(坪単価) | 約7,361万円 | 約50万円 |
店舗賃料(坪単価) | 約4万円 | 約0.33万円 |
このように、土地代ベースでは約147倍、店舗賃料ベースでは約12倍の差があります。
この土地代が高いことから、都会の方が店舗面積も小さくなりやすい傾向にあると言えます。
「人件費」が高い
先ほどと同じく「東京」「岐阜」について、平均時給と平均年収で見てみます。
参考URL(https://doda.jp/guide/heikin/area/)
まとめると下記のようになります。
お金\場所 | 東京 | 岐阜 |
最低賃金(時給) | 1,013円 | 851円 |
平均年収 | 438万円 | 390万円 |
このように、最低賃金ベースで約1.2倍の差、平均年収ベースで約1.1倍の差があります。
都会で店舗せどりが難しいと思う理由
このように、「土地代」「店舗賃料」「人件費」の面から、店側の維持コストが高いことが分かります。
この維持コストが商品の価格に跳ね返って来るため、都会で店舗せどりは難しそうに見えます。
実際この考え方は間違っていないのですが、全てのお店、商品が割高というわけではありません。
またYoutubeの仕入れ動画では、車を使ったものが多いのですが、都会で車を持っている人は少ないはずです。
車を使わない大量仕入れテクニックについては、今後詳しく紹介したいと思います。
都会の強み
「店舗数」「店舗の種類」の多さ
「店舗数」についても比較してみましょう。
店舗せどりにおいてよく使用される、「ドン・キホーテ」「ヤマダ電機」について比較します(「東京駅」「岐阜駅」から半径5km圏内で比較)
店舗\場所 | 東京 | 岐阜 |
ドン・キホーテ | 11店舗 | 2店舗 |
ヤマダ電機 | 10店舗 | 2店舗 |
改めて数えてみると、都会の店舗数の多さに気付かされます。
そもそも「なぜ店舗数が多いか?」というと、都会の方が人口の多い(=色んな人がいる)という特徴があるためです。
「それぐらい分かるよ!」と思われるかもしれませんが、この特徴が1つのポイントになってきます。
「商品数」「商品の種類」の多さ
前述の「人口の多さ」があり、多種多様な要望に答える必要があるため、店舗側は、
・人気商品:数を確保する必要
・その他の商品:種類を確保する必要
が出てきます。
その他要因として、メーカー本社が多く、卸業者の選択肢も増えるため、店頭に多種多様な商品が並ぶことになります。
都会の店舗が抱える「ジレンマ」
都会の店舗では、多くの要望に答えるために多種多様な商品を置きたいのですが、土地代・賃料が高くて長くは置けませんし、店舗面積が小さくなりやすいので置く場所もありません。
仕入れを正しくできれば全く問題ないのですが、少しでも需要の予想が外れると、一気に不良在庫(売れ残り)となってしまいます。
つまり地方の店舗に比べ、都会の店舗では、
・多くの人に売るために多種多様な商品を置きたい
・人気商品は多数仕入れて、多数売りたい
に対し、
・店舗面積が小さくなりやすいため、不良在庫の発生確率が高い
・土地代が高いため、1個の不良在庫に対するリスクが高い
といった「ジレンマ」を抱えていることになります。
店舗の「胆力」とは
「胆力」とは
「胆力(たんりょく)」とは、「物事を恐れたり気おくれしたりしない気力・度胸」のことで、株式投資の世界では、株が値下がりした場合に持ち続けるホールド力の意味で用いられます。
店舗が商品を持ち続ける場合のホールド力や心理を「胆力」として解説していきます(株式の「胆力」に近いため)。
先ほどのジレンマの解説により、都会の店舗は「1個の不良在庫に対するリスクが高い」状況にあることが分かりました。
これの対策としては、下記が上げられます。
・リスクを許容して店舗に置き続ける
・値下げを行い、回転率を上げる
しかし、「不良在庫の発生確率が高い」という状況もあるため、全てを店舗置き続けるわけにもいきません。
廃棄という選択肢もあるでしょうが、廃棄するにもコストがかかります。
よって、取れる選択肢は、
・値下げを行い、回転率を上げる
となります。
つまり、都会の店舗は地方の店舗に比べ、商品を持ち続ける力、「胆力」が弱いと言えます。
店舗における具体例
この理論を実際の店舗に落とし込むとどうなるのでしょうか?
都会の店舗側の前提として、胆力が弱いため、
・値下げを行い、回転率を上げる
・店舗面積が小さい(大きくはない)
があるとします。
最初は若干の値引きを行って、商品の回転を多少良くしにきます。これを数回行うのですが、商品によってはそれでも売れません。
すると店舗側は、売れない商品ほど大幅な値引きを行って、無理やりにでも回転率を上げにきます。
また値引き以外で回転率を上げるため、ポップやワゴンセール、値引き棚を使って、割安な値引き商品であることを示してきます。
まとめると、
・人気のない不良在庫ほど大幅値引きされやすい
・ポップやワゴンセールで値引き商品をアピール
・店舗によって不良在庫の差が出やすい
といった、店舗せどりの考え方の基本が現れてきます。
つまり都会の店舗ほど、店舗せどりの基本のコントラストが明確に現れやすい傾向にあります。
都会の店舗せどりの特徴
都会ならではの特徴として、
・同一系列を複数店舗回れる(店舗比較が可能)
・多数店舗を回る形で縦積みしやすい
・トレンドの動向を察知できる
・ライバルが多い
などが挙げられます。
一見マイナスのように見える特徴でも、考え方を変えることでプラスとして利用することも可能です。
この特徴についても、今後詳しく解説していきます。
まとめ
今回は「都会の店舗せどり」「店舗の胆力」について、解説しました。今後は具体的な立ち回りについて解説していきたいと思います。