約5年ほど前、私は友人とその場のノリもありバンジージャンプに行くことにしました。
最初は旅行が好きだったこともあり、国内旅行として楽しく計画していたのですが、計画途中で「あること」を思い出します。
そう、私は高所恐怖症だったのです。
バンジージャンプ
バンジージャンプとは
足にゴム状のロープを付けて、高いところから飛び降りる、アレです。
起源はバヌアツ共和国の小さな島で行われていた儀式と言われていますが、現代では1つのレジャー、または罰ゲームとして確立されています。
説明不要なほどの知名度がありながら、実際にやった人はかなり少ないかと思います。
一応、バンジーにも種類があり、
・常設型:遊園地等に設置されているもの(よみうりランドなど)
・ブリッジ型:橋の上から飛ぶもの(竜神、猿ヶ京など)
・タワー型:タワーの上から飛ぶもの(マカオタワーなど ※日本には無い)
と分かれています。
日本では、タワー型が無いので、常設型かブリッジ型のどちらかを選択する形になります。
竜神バンジー
色々調べた結果、「竜神バンジー」に行くことにしました。
「竜神バンジー」は、茨城県常陸太田市にある竜神大吊橋という日本最大級の吊橋からバンジージャンプを行うものです。
竜神大吊橋がかかる竜神峡は、ダム湖があったり紅葉の名所でもあり、大自然あふれる場所です。
参考URL(https://ohtsuribashi.ryujinkyo.jp/)
選んだポイントとしては、
・日本の中で最も高い100mのバンジー(当時)
・大自然の中で飛べる
・茨城観光ができる
でした。
当時は東海地方に住んでいたので、そこから茨城はかなり遠いです。
ただ今よりも(謎に)尖っていたので「中途半端な高さの所に行くぐらいなら、行かないほうが良い」と思い、茨城まで行くことにしました。
高所恐怖症
冒頭でも書きましたが、私は高所恐怖症です。
昔からそうで、
・脚立やベランダ
・マンションの上層階
・タワーのような展望台
などが得意ではなく、高い場所や状況に行くとドキドキしたり、冷や汗をかいてしまうような人間です。
ですが、私はバンジージャンプをみなさんにオススメしたいです。
なぜその考えに至ったかを今回は書いていきます。
当然ですが、重度の高所恐怖症の方にはオススメしません。
バンジージャンプを飛ぶまで
竜神大吊橋に行くまで
茨城県の竜神大吊橋自体のアクセスが悪く、東京駅からは
車:約2時間30分
公共交通機関:約3時間20分
かかります。
最寄りのターミナル駅である水戸駅からでも車で1時間かかります。
当時は水戸駅で友人と待ち合わせをし、水戸駅からレンタカーで約1時間かけて向かいました。
途中からかなりの山道でした。
飛ぶ前
竜神大吊橋に着くと、吊橋や山の案内所と併設された、バンジージャンプの受付に向かいます。
受付で予約した名前を伝えて、代金を払います。
ちなみに現在、一人17,000円です。
はっきり言って、めちゃくちゃ高いですし、結果的に途中で気が変わって飛ばなかったとしても返って来ません。
最初に飛ぶまでの流れの説明があります。
このときの説明で初めて知るのですが、バンジージャンプは飛び立つ台からできるだけ離れるよう、遠くにジャンプするほうが安全なんだそうです。
理由は、台から近すぎると自分のバンジーロープが首などに巻き付いて事故の危険性が高くなるため、とのことでした。
つまり「落ちる」のではなく、「飛び立つ」ほうが安全とのことでした。
次に、誓約書に署名をします。
この誓約書は事故などに関するもので、「全てを了承した上で飛びます」「仮に事故があっても訴えません」といった内容のものでした。
そこそこ不安を煽られます。
誓約書の内容に承諾できたら、飛ぶときにロープを接続する器具を身に着けていきます。
体を支えるハーネスと、足首あたりにつけるロープを付ける装備です。
これはなんとなくイメージしていたものでした。
ついに飛ぶ?!?!
飛ぶ直前
器具の装着が終わると、いよいよ飛ぶための場所まで移動します。
飛ぶ場所は、100mほど歩いた先にある、橋の中央付近の下側です(上側が通常の通行する部分で、下側の橋脚側から飛ぶ)
下側に降りるとスカスカの金網の足場で、ジャンプすれば抜けそうですし、下も横も見通せるような場所です。
高さに加えて風も強く、景色を楽しむ暇などありません。
自分が飛ぶまで、前グループの順番待ちをするのですが、
・飛んでいる人
・飛べずに帰る人
を見ることになります。
飛んでいる人の一部始終を見ると「怖そうだなあ」、飛べずに帰る人を見ても「怖いもんなあ」と、違った種類の不安が出てきます。
いよいよ自分の番・・・
「次の方ー、」とスタッフの方に呼ばれ、いよいよ自分の飛ぶ順番が回ってきます。
自分でも心拍数が上がっていくのがわかります。
待機場所から立ち上がろうとしますが腰が重たく、やっと立てても、一歩一歩が重たく感じます。
「飛びたくない」という現状維持の気持ちが、自分の心に、何重にも何重にもカギをかけているイメージです。
頑張って心のカギを一個一個外すように一歩づつ踏み出し、最終確認をする場所までたどり着きます。
「フーッ」と深呼吸をします。
下を見ると谷底で、自分が立っている場所が果てしないほど高いことを再認識します。
さらに心拍数が上がります。
装備の確認作業が終わっても、すぐに動き出せません。
重い腰を上げ、やっとの思いで飛び立つ場所まで来ました。
「うわ・・ヤバ・・怖・・・」と思わず声が漏れ、さらにさらに心拍数が上がります。
ここでもカギがかかっていることに気づきます。
しかも今までとは比にならないぐらいの大きなカギなのです。
いよいよ飛ぶ!!!
もう一度、「フーーッ」と深呼吸をして、考えます。
「飛ぶ」「飛ばない」の真逆の考えが自分の思考の中で無限に巡ります。
色々思考しても、それが正しい判断なのか、自分は正しいのか、何が正しいのか、と同じようなことばかり考えてしまいます。
実際には一瞬だったでしょうが、異常なほどの思考を巡らせたかと思います。
思考が何周かした時、どこかで「もうやるしか無い」と思うようになります。
ある意味で精神的に追い詰められている状況です。
このあたりで、「カチャ」と心のカギが開く音、自分の中で何かが変わる感覚がありました。
「あったような気がする」ではなく、明確に「変わった感覚」があったのです。
この何かが変わる感覚を今でも鮮明に覚えています。
それから、、気づいたときには飛んでいました。
飛んだときは、爽快感や開放感があり、周りの景色がはっきりと見えて景色を楽しむこともできました。
実は、着用したヘルメットに持ち込んだアクションカムを付けていて、動画を撮影していましたので、そちらを見ていただいたほうが分かりやすいかと思います。
高い場所、バンジージャンプの動画です。苦手な方は十分ご注意ください。
今動画を見るとすぐ飛んでいるように見えるかもしれませんが、葛藤や思考がグルグルして体感ではもっと長い時間でした。
また、
・「ヤバい!!!」
・「死ぬ!!!」
・「楽しい!!!」
と言っていて、そこには単純な恐怖だけでなく、楽しさがあることがわかります。
やったことのない何かを成し遂げる楽しさだったと思います。
ちなみに、飛ぶときのフォームはかなりのへっぴり腰だったそうですが、フォームなんてどうでも良くて、飛べたこと、実際に行動できたことがめちゃくちゃ嬉しかったのです。
飛んでみたから分かること
「いつでもできる」は「実際にはできない」
自分は、自分の意志で「バンジージャンプをやりたい!」と思って、茨城県まで行きました。
高所恐怖症ではありますが、そのときになれば飛べるだろうと思っていました。
それにも関わらず、いざ飛ぶとなるとすぐには飛べませんでした。
つまり、
・自分で飛びたくて
・心の準備をしてきて
・頭では安全なことがわかっていて
・コスト(お金、時間)を払っていて
と、わざわざ自分が作り出した状況でも、すぐには「飛ぶ」という行動に移すことができなかったのです。
「いつでもできる」と思っていることほど、「実際にはできない」のです。
できたから分かること
さらに、結果的に飛ぶことができて、
・一歩踏み出す勇気
・踏み出したあとの爽快感
・難しい何かを成し遂げる楽しさ
を感じることができました。
これは実際に飛んでみないと、やってみないと分からないことです。
実はもう一つ、感じたことがありました。
それは、自殺する方の心境です。
大前提として自殺という手段は断固否定派です。
デリケートな話題でもあるので深い言及は避けますが、
・自ら飛び込む難しさ
・そうさせてしまう環境
・正常な判断ができないメンタル
の一端も感じることができました。
少年マンガの修行と同じ
私の経験&文章力のため、伝わりにくい部分もあったかと思います。
わかりやすく例えるとしたら、少年マンガでよくある、修行の描写と全く同じと思いました。
一度、死闘や死に近い経験をすることで、一皮むけたり成長して帰ってくる、アレです。
人によっては走馬灯が見えたり、違った感じ方をするかもしれませんが、必ず成長や気づきが得られます。
なので、最初は高いと感じていましたが、
・約1日の時間
・17,000円と交通費
で成長できるので、個人的には安いと思いますし、超オススメです。
まとめ
バンジージャンプはオススメ
ここまで、バンジージャンプの体験をお伝えしました。
結論は、めちゃくちゃオススメです。
・変わりたい、行動したいが、手段が分からない人
・約1日と多少のお金を出せる人
・少年マンガのような成長体験をしたい人
・バンジーをするか迷っている人
・超極度の高所恐怖症ではない人
当てはまる方はもちろん、当てはまる方でなくても、私は冗談抜きで皆さんにオススメしたいです。
たまに「なんでそんなに考え方できるんですか?」と、投資や行動についての考え方や、考え方の身につけ方を聞かれることがあります。
その根底の一つには、このバンジージャンプの経験が間違いなくあるのです。
おまけ:茨城旅行も楽しい
茨城観光の描写はほとんどなかったですが、観光としても楽しかったです。
・JAXA(つくば)
・納豆(水戸)
・あんこう鍋
に行って、「宇宙好き」「ご当地グルメ好き」「納豆好き」の自分には大満足の旅行でした。